Winter's man

すべて備忘録

ポルノグラフィティ「UNFADED」静岡エコパアリーナ 2018.12.15-16 前編

ポルノグラフィティの「UNFADED」ツアー。

結構前に終わったんだけどなかなか感想が遅くなってしまった😅 あ、遅いのは通常運転だったわ。えーとこれ、自分が後から楽しむための備忘録にすぎんから!

 

今回のツアーは15公演中10公演にお邪魔して楽しませてもらいました。途中娘の里帰り出産が無かったらもうちょっと行けたかも…、とは思ったけど。でもいいの。会えない時間に愛を(勝手に)はぐくませてもらったので!!!

そして「UNFADED」には私にとって初めてのポルノのカウントダウンの大阪公演があった。それならせっかくだからカウコンのこと書けよ!って感じなんだけど、あんまり楽しすぎてメモをよく取ってない~~~。頭の中も未だに真っ白(苦笑)まあ楽しかったからいっか。

じゃあ最終日の三重公演…とも思ったんだけど(それも楽しすぎてメモ取ってない)やっぱり初日のインパクトは忘れられない。今から考えると初日ならではのうーむむむ( ˘ω˘ )が無きにしもあらずなんだけど、それを上回る期待値が高かったの。ということで初日と次の日の模様を書いておきます。感想はどっちかというとツアー全体の総括に近いかも。

 

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☆セットリスト
12/15
01.オレ、天使
02.   A New Day
03.幸せについて本気出して考えてみた
MC
04.東京ランドスケープ
05.ジョバイロ
MC
06.ヴィンテージ
07.前夜
08.ライオン
09.ビタースイート
10.Zombies are standing out
MC
11.見つめている
12.夕陽と星空と僕
13.Didgedilli
14.カメレオン・レンズ
15.海月
16.フラワー
MC
17.オー!リバル
18.ジレンマ
19.パレット
20.サウダージ
21.ハネウマライダー
MC
22.∠RECEIVER
EN
01.Hard Days, Holy Night
MC
02.ライラ

 

12/16(変更部分)
06.ヴィンテージ→Swing
08.ライオン→DON'T CALL ME CRAZY

 

 

☆サポートメンバー

マニピュレート…Nang-Chang

ドラム…野崎真助

ギター…tasuku

ベース…須長和広

キーボード…皆川真人
 

 

 

アリーナツアーなんで客いじりがあるのである。

ナビゲーターは1999ツアーでもおなじみのキューブ教官改めキューブ教頭。ちょっと出世しました。

一応客いじりの前にモニターにツイッターで呟いてねのハッシュタグが表示される。1日目は#アンフェおでん、2日目は#アンフェお茶だったかな。でも短い時間しか表示されないので遅く入っちゃうと気が付かないで終わっちゃうのだ。

BGMはShazamさんによるとGui Boratto(ギ・ボラット)の曲。Gui Borattoさんはブラジルのテクノアーティストらしい。ウィキペディアにも載ってないから少しマイナーなアーティストなんだろか。おしゃれにリズムを刻む電子音がゆらゆらと流れる。今までは結構古めのロックが流れることが多いのでちょっと意外でした。誰の趣味かな。気になる。

 

 

 

 

客電が消える。

場内に女性のオペラの発声のような声が流れる。歌詞はなくアーアーという発声でメロディーを辿るだけ。なんの曲なのか、オペラに造詣が全く深くないので分かりません。

ステージには粗い網目模様のような?レースの模様のような?幕がかかっている。その内側からぐるぐると回るスポットライトがあたり、幕を透かして光が漏れる。

突然耳をつんざくような楽器の音。(ギター?シンセ?)まるで雷のように。

そうしてるうちに楽器が重なり女性の声が重なり、バーンという音とともに幕がステージに落ちる。ステージ奥の真赤なスクリーンには黒で「UNFADED」の文字。

逆光で黒い彫像のように立ったメンバーとサポートメンバーの姿が見える。

 

 

 

 

M01 オレ、天使

 

晴一のめっちゃかっこいいリフが合図のように演奏が始まる。

わわわすごいロックにアレンジされてるううう!いつものオレ、天使じゃないんですけど…! えっとね、ちょっとプリズンマンションの始まりを思わせるようなリフですよ。あのイントロの重いリフ。あんな感じ。

あれ、でも最初のセリフがあんまり聴こえない…。なんて言ってるのかわからない。それもめちゃくちゃ変な声に聴こえる。これは自分のいる場所が悪いのか?音響のせいなのか??

これ、ポルノグラフィティの16thツアーにようこそ、みたいなことを英語で、それもデスボイスで言ってたみたいです。後で知ったんだけど。でもこのセリフ最後まではっきり聴こえなかったなあ。

間奏もアレンジされている。それがめっちゃくちゃ好み!!

これから先「オレ、天使」はもう一生このアレンジで聴きたいと思ったほどです。でも、後からCD音源聴くとあの独特なイントロやらベースソロ、ギターソロがやっぱり愛おしく感じるから、やっぱり原曲あってのあのアレンジなんだなあとは思い直しましたです。ちなみに私は幕張ロマポルでの「オレ、天使」が大好物ですわ。新人サラリーマン天使が愚痴こぼしてるみたいで堪りません!

最後の語りはCD音源で、「かくも儚きかな」の次に昭仁の低音での「UNFADE~~D~~!!!」がかっこよかった!!おい、おまえら!オレたちに付いて来れるか?と挑発しているようなかっこよさ♡挑発に乗っちゃうよ!

ここ大阪で聴いた時から「UNFADED」の前に「Today is」が入ってきた。

 

 

 

 

M02 A New Day

 

スクリーンの「UNFADED」の文字が小さくなって、絵で描いた街の看板ネオンに変わる。

オレ、天使」とは打って変わってポップポップ!昭仁はノリノリでちょこちょこと動きながら歌う。そしてこの曲は例のお約束が…(笑)

昭仁「分かっとるね?」

観客「言うなーーー!!!!」

 

どのミュージシャンも大抵そうなんだけど、最初にアルバムが発売されるからそのプロモーションとしてのツアーが企画されるわけで(ツアーが先でその後にアルバムが発売される時もある)。もちろんポルノもいつもはそうで、5年前はベストアルバム「ALL TIME SINGLES」が発売されてアリーナツアーが行われた。

ところが今回はそのアルバムが発売されず、代わりにサブスクリプション解禁ということでツアーが組まれることになったのだ。

そういうことで、事前にすべての曲がセトリに組み込まれる可能性ありとは聞いていたんだけどね。カップリング曲もアルバム曲も全部!ほら、テスト範囲は今まで勉強した全部!!みたいな(笑)。てことは大昔にやったきりのあの曲とか、まだ一度も披露されてないあの曲とかも演るかも知れない!?

オレ、天使」「A New Day」と来てやっぱりこれは…と期待が膨らんだよね!

 

 

 

 

M03 幸せについて本気出して考えてみた

 

スクリーンには花輪のように、開いたお花がたくさん丸く並んでくるくる回っていた。これは何を表してるの…?謎である。くるくる回る、というのは幸せについて~のMVを思い出させる。

まあ、これは元気よく、力強く、楽しむ~の歌だよね。確かこの曲最後に演奏されたのが2011年の幕張(たぶん)だから、行ってない私は生で聴くの初めてかも!テンション上がる!

歌詞の「答え合わせしよう~」が後に話す「UNFADED」の意味みたいなのとかけてあるのかなとも思った。

後ろの席やスタンド後方だとサイドモニターに映るステージをよく見ちゃうんだと思うけど、このモニターがステージリアルタイムとちょびっとだけズレてて、そのせいかどうか知らないけどモニターの昭仁くんが煽る振りと音楽がズレて裏と表が入り混じってた。まあ入り混じってたのはそのせいじゃないとは思うけど。

 

ツアーが終わった後に一斉に出てきたのが、「幸せについて本気出して考えてみた」の振りが本来裏拍なのにみんな表拍になってるのなんでやねんとの話。確かにライブDVD観てると観客のキッチリ揃った拳が裏拍で突き上げられてるもんな。

私もファンになりたての頃、周りに合わせて頑張って振りを覚えようとしたことがあったよね…(遠い目)でも最近はそんなのどーでもいいじゃん派になりました。だっておばちゃんなんだもん!トロいから裏拍だって分かってたって身体が動かない時もあるんだもん!(悔)

スガさんのライブでもワイパーとか煽るときがあるけど、観客の手が揃った試しがないなぁ(笑)でもそれでライブが台無しになることなんてないわな。だから裏拍だろうと表拍だろうと揃ってる必要はないんじゃね?

ダンナちゃんとこの話ししたら「バックビートが取れるかどうか問題なのは演奏者であって客の必要性ないんじゃん?」と不思議そうに言われてしまった。だよね。私たちが観に聴きに来てるのはステージでのパフォーマンスと歌や演奏であって観客じゃない。私たちは音楽に身を任せて感じるままに動けばいいよね。

もっと寛容に行こうよ。やらない人に対して軽蔑の言葉を投げかけないで。チェケラは裏拍云々〜と言ってる人でもA New Dayとかパレットとか他の裏打ちの曲でも表でやってることもあるじゃん〜〜。だいたい最後のライラが裏拍なのに昭仁くんがめっさ楽しそに表で手拍子煽ってたじゃ〜ん(多分裏拍だと崩れやすいからだと思うけど)楽しければ良しだよ!(๑•̀ㅂ•́)و✧

 

 

 

 

M04   東京ランドスケープ

 

いい具合にアルバム曲ってる。これも久しぶりにやる曲でしょうか。

「街は静岡、エコパだね。最高ランドスケープ」街は東京〜のところをこう替えて歌ってた。もしかしたらこれから先、ここをご当地の名称に替えて歌うのかなーと思ったり。

映像は赤いビーズのようなものが並んでるのをぼやかして映してたり、金属?指輪みたいな装飾品?をぼやかして映してたりと。どういう意味があるんかなー。間奏で晴一は例のアルペジオを奏でて、PURPLE'SではNAOTOさんがバイオリン入れてたところをtasukuさんが単音でメロディー入れてて。これがまたすごくノスタルジック…。

正直、今まで私にはこの曲に特別な思い入れが無かったのだけれども(曲自体忘れてたくらい。すまぬ^^;)今回のツアーで改めていい曲だなって認識したよね。(すまぬパート2^^;)

特に一番最後の「そう、ここに来て随分時は経った〜」からが晴一の伴奏だけになって、照明も二人だけを照らして。この場所は二人だけの旅の果て(但し終着駅ではない)のような気がして毎回ここが心に響いてた。色褪せた?と聞かれたら褪せたとか褪せてない曲ではなくて、私の中では輪郭がいっそうくっきりとした曲なんだ。

この曲が一番最初にPURPLE'Sで披露されたときは、歌詞の「憧れには近づけてはないけど」のところを「アンチテーゼの奪い合いに負けても」と歌われた。まあそれは音源化されるときに替わったんだけども。

でも、その言葉が長い間どういう意味なのかよく分かんなくてね💦

だってアンチテーゼってパイを奪い合うものではなくて心の中に湧き上がってくるものでしょ。奪い合うアンチテーゼってなんなんじゃい、って。んで最近やっと分かりました(遅い)みんなが奪い合っているのは既成のアンチテーゼなんだね。ロックは反体制!大人の言いなりにはならないぜ!セックス&ドラッグ&ロックンロール!という誰かが唱えたお題目を自分たちも纏ってみたかった。纏って、諸々ロックを叫ぶ群れから飛び抜けて一番になりたかった。そういうことかな。違うかもだけど。

そこの歌詞を替えた理由は分からないけれど、纏ってはみてもそれは自分たちに馴染まないと思ったのかも知れない。それとも自分たちの求める夢はそんなところにあるものではないと思ったのかも知れないね。

 

 

 

 

M05   ジョバイロ

 

皆川さんのピアノの音色から始まるジョバイロ…!

康兵さんのピアノだともっときらきらとした感じかなっ。皆川さんだとちょいといい具合に枯れたかんじです。だから今回のジョバイロはザ・ラテンでぶち上がる雰囲気ではなくしっとりと物悲しさを感じさせたジョバイロなの。正面のスクリーンには「Yo Bairo」の題名、それからモノクロでギターの指板を滑る指のアップ。そして道路を歩く革靴のアップ。顔は映らないけどどちらも新藤さんなのかな?何処かの会場で見たとき、歩いてるシーンに雪がちらついていたような気がした。

これは記憶があやふやなんだけど、静岡だけ新藤さんがいつものエレガットギターじゃなくてベージュのヴィンテージギターを使ってた気がしたの。ジョバイロでエレキ!?ってびっくりしたよね。ただその後はずっとエレガットだったから(多分)もう確かめる術はないんだ…。見間違いかも^^;

 

 

 

MC 

 

「UNFADED」というツアー名について説明

12/15

晴「サブスクリプション(噛む)、定額制の時代だなあと。俺が最初に買ったのがきょんきょんのレコードだったよね。木枯らしに抱かれてのレコードを買った」
昭「俺はその前に夜明けのミューのカセットテープだったね」
(このあたりきょんきょんと中森明菜談義)
晴「最初、(ツアー名を)「色褪せた?」って聞いて「いや、色褪せてないよ」みたいなのにしたかった。でもツアー名に「?」が付くのがかっこ悪くて。だから(否定の)「UN」を付けて「UNFADED」にしました!」
昭「今回はとっても自由度の高いツアーになったと思う。今日はぜひ皆さんの今日という日を僕たちの曲で色づけて帰って欲しいなと思います」
晴「おっ、初日からいいMC思いついたね!」
昭「今日は久しぶりにやる曲や、ライブでやってない曲も聴いてもらおうと思います」

 

12/16
晴「ツアー名「UNFADED」については説明させたらわしが一番うまいよ(笑)」
晴「まず「FADED」。「FADE」が色褪せる〜みたいな意味で、これにEDが付いて過去形。それにUNが付いてなんになりますか?」
客「否定ー!」
晴「正解!だから「UNFADED」は色褪せない、になります。本当はね、20年間のいろんな曲をツアーでやって「色褪せた?」と聞いて「いや、色褪せてないよ」って答えてくれるような、そんなツアー名にしたかった。でもツアータイトルに「?」が入るのはかっこ悪いけえ、「UNFADED」にしました!」
昭「聴いてくれる皆さんが、今日は色を加えてくれたらいいなと思います」

 

 

 

 

M06 ヴィンテージ 

 

わーーー!ヴィンテージ!!客席からどよめきと歓声が!

もちろん私も生で初めて聴くんだけど、まさかセトリに入っているとは思わなかった。音源を最初に聴いたのはブルー・レッドのベストアルバムだったかな。あの当時ですでにレトロな雰囲気の印象やった。これはレゲエのリズムなんだっけ?馴染みはないけど癖になっちゃう。不思議な魅力の歌。

昭仁はにこにこ歌ってて、晴一のコーラスが凄く良い!どこかの公演で「大切なままであり続けてゆくーー」のロングトーンがびっくりするほど伸びてて。あれは気持ち良かったなあ。

ブログ書くためにもう一度歌詞を眺めていたら、この曲も「UNFADED」の答えのひとつかなと思うようになった。曲が色褪せないってのは、作ったときのままの鮮やかさを保ってるという意味だけじゃない。熟成させて色を変えていってもいいんだよね。素晴らしい芳香を放つヴィンテージの味わいになることもまた良きかな。

 

 

 

(12/16)M06 Swing

 

息が止まるかと思ったです、はい。まさかここで聴けると思わなくて。

Swingってあんまりやってなくてそれもやったのが、誰もが行けたわけじゃないポカリスエットのライブのときだけで!(たぶん)おまけにこの曲、作った本人の岡野くんが「こんな曲あったっけ?」とのたもうた伝説の(?)楽曲なんすよ!!!

もしかしたら一生聴けないかと思ってた。サブスクリプション様々でございます😭 だから16日はもう感想なんて湧かなくてただ崩れ落ちそうになる身体を一生懸命支えてた。それだけです。この日以来何回か聴けたけど、正直今でもこの曲がこのツアーで聴けたこと消化しきれてないですもん。

スクリーンには「Swing」の題名、青っぽいモノクロで星条旗のような小さな星が並んだ布(?)のアップ、そして打ち寄せる波がただ映る。その意味はちっとも分からなくて^^;

私の中では「Swing」は雨のイメージだったかな…。

昭仁の歌声は優しく大人っぽく、晴一のコーラスも優しく響き、演奏もいろいろアレンジされていた。 

 

ところで、私はこの曲が大好きで大好きでCD音源を繰り返し何度も何度も聴いて聴き過ぎたせいか、ライブの昭仁の歌声が音源にくらべるとあまりに優し過ぎるような気がして、晴一のギターソロがあまりにも大人っぽ過ぎるような気がして、演奏が余りに完璧過ぎて嬉しいのになんとなく複雑だったわけですよ。。。ホントに贅沢言ってごめんなさい。

そうしたら、いつもいろいろお話させてもらっているフォロワーさんにとある会場でじっくりお会いすることが出来まして、その時に「Swing」について私がモヤモヤしていることを話したらこう言ってくださったんですよ。。。

「この「Swing」の演奏はもしかしたら当時彼らがこう表現したい、こうでありたいと思っていた、それが今やっと出来ているんじゃないですかね」

あああああああすみません😭😭😭なんかなんか修行が足りなかった私……!!!

若さとはどうしても危うくて、それが妖しい魅力を放って。未熟なのに有無を言わせぬ力があって。そのきらめきは何ものにも代えがたいものでどうしてもそれを貴重なものと見てしまう。私達はつい愛でてしまうんだけど、それを要求してはいけないんだよね…。例えば自分だって、何か作りあげるときにまだまだ出来てなくてもっと良いものを!!と切実に思っているときに、それが最高だから変わらないでと言われても困ってしまう。彼らだって実はずっとずっと前を見ている。

それからは「Swing」が少し違う風に聴こえて来て毎回涙が……。

 

 

 

 

M07 前夜

 

うわーこの曲大好きです!ライブで聴いてみたくてみたくて堪らなかった曲。これこそしまなみでやるべき曲でしょ!と(勝手に)思ってたらやらなくて本当に残念だった。あー、やってくれて嬉しいよお❤

元々スガさんの「はじまりの日」やイマジン・ドラゴンズの「It's Time」みたいにこれから新しい世界に旅立つ、という歌は好きなんすよね。捨て身でただ前を向く、いや、向くしかない。我が身を奮い立たせるその力強さと、力強くあるために押さえつけている、怯えて顔を覗かせる不安や弱さの葛藤のドラマはこの年齢になった私でさえ胸踊らされるものがあって。

「今の僕には何にもないけど、何にもないから無限と言える」という歌詞の言葉は漫画「バクマン。」の中に出てくる集英社(今は白泉社)の取締役、鳥嶋さん(アラレちゃんに出てくるマシリトだ〜)のセリフを思い出させます。漫画の中でですが、彼は、漫画家はみんなそう思っているよとして「可能性はゼロじゃないと考えるより、無限にあると考える。実現したらいいと考えているのではなく、行動し実現させる」と主人公たちに言うシーンがあるんです。

でも、でもですね、ある程度年齢が行くと、たとえ十代でさえ自分の可能性の限界って見えて来る。だってもう19歳になったら、一度も弾いたことないのにこれからピアノ習ってクラシックのピアニストになろうなんて大抵は思わない。実は可能性は無限に見えても本当は限度があるって誰だって知っている。だから私たちの日常の中では「可能性はゼロじゃない!」とつぶやいて行動するのがせいぜいなんだよね。

そう考えると「可能性は無限にある」と思うのは凄く無謀で切ないことであるよな。

でも思うんだ。鳥嶋取締役がそう言うのも、きっと創作を生業としている人は無謀であっても我が身を奮い立たせその心構えでいなければならないんだろうなと。想像だけどひしひしと思う。確約が無くても常に前に向かって挑戦を繰り返すのが大事なんだって。だって何事もやってみなければ分からないから。たとえその挑戦が少しも実を結ばなくても、前へ前へと。うーん、厳しい世界だね…。

 

この曲、CD音源ではCメロの最後が歌とハーモニカが被っていて。ハーモニカを吹くのは昭仁だろうからライブではどうやるのか興味津々だった。まあ普通にCメロを歌い終わらせてからハーモニカ→ギターソロの流れだったけれど、初日はその流れがぎこちなくてイマイチだったかな。何回か回を重ねて自然になった感じでした。

スクリーンはセピア色で右と左のパネルだけ使い、上手が晴一、下手が昭仁を映してた。ある意味過去のことを歌っているからセピア色の映像なのかな?とか妄想もした。静岡2日目に「何にもないけど〜」のところで昭仁が少し上を見上げて両手を広げた。そう、その姿に胸を撃ち抜かれた気がしたよ。

 

 

 

 

M08 ライオン

 

ライオン!!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

これもしまなみで聴きたかった曲でした。インディーズのときからやってた曲という意味で。ま、確かにその枠ではジレンマがあったんだけどさ。

「近づけば噛みつくの」で手でガオ!の仕草とか「見ー下しているー」のとこのギターのピックスクラッチのギュイイイイーーン!!とか「どうやらね!違うでしょー」の歌い方とか取り憑かれたようにステージをうろつく昭仁の姿とか、ライオンは見どころ聴きどころがいっぱいある曲よ?それなのに3/9横アリでのWOWOW収録の日はライオンじゃなかったのよーー😭 またUNFADEDのライオンが聴きたいなぁ。お願いだから円盤化するときは特典で付けてください(Swingもね!)

歌の最後の「Hey,Heyー!」は音の高さを変えて何度か繰り返し歌ってた。

この曲は個人的にライブだとめちゃくちゃ色気だだ漏れる曲だと思ってるの。今、映像で観る若いときの狂気を感じさせるライオンも良いし、大人になったならではのしなやかに滲み出る出る色っぽさも堪らない。これをヘソにしてアレンジ膨らませたステージが見てみたいなーとずっと思いながら聴いてましたよ。

 

 

 

(12/16)M08    DON'T CALL ME CRAZY

 

ヴィンテージ、ライオン、Swing、ドンクレは日替わり曲となるんですね。

やー、この曲の何が好きって、ギターソロからCメロに入るまでに鳴り響いているギターの音です。なんで好きなのか自分でも分からんわ(笑)ここでひとつ緊張が解ける感じがあって、それがぐっと来るのかもしれません💕

 

後から振り返ってみるとこの辺りの曲、ロックゾーンと言っても間違いじゃない感じですよね。その中でもドンクレはぶち上がる疾走感が際立ってましたです。考えてみればライオン、ビタスイ、ゾンビってめちゃかっこいいけどテンポの早い曲じゃないもんね。有無を言わさぬ疾走感も欲しいよね!疾走感ー!!観客の歓声も大きかった。私もテンション上がったよー!

 

 

 

M09 ビタースイート

 

なんていい具合のマイナー感なんだろう…!

マイナーと言うと語弊があるかな。でも、こう何て言うか「ビタースイート」って普段のライブだとセトリに組み込むのって難しそうな印象の曲じゃないですか…? ゴリゴリしたギターがかっこいいけど、激しさやぶち上がる疾走感や高揚感があるわけじゃなくてひたすらダウナー。でもうんと気持ちが落ちるほど暗いってわけでもなく。

キーが半音下がっていたみたいだけど、この曲はCメロ以外高音の大変な曲ではないし、もしかしたら下げたことでより暗く重いハードロックっぽさを出す狙いだったのかなーなんて思いました。でも最初の頃はなんとなく歌いづらそうな感じがしたんだけど気のせいかなあ。聴いてるこっちがただ違和感を感じてただけかも😅

 

演出は、サイドモニターも消えて真っ暗な中でステージの上や斜めや横から白い照明が飛び交う。最後は真っ赤。めちゃくちゃかっこいい!!!

 

 

 

M10 Zombies are standing out

 

最初に男声でオペラのアリア(カルメン闘牛士の歌の一部らしいとの噂が?)が流れる。ステージにはスモークが焚かれる。アリアの音程がどんどん低くなって行き最後にはデスボイスに変わる。そして聴き慣れたイントロのあの声が始まる…!!

会場には大きな歓声。

ポルノさんの公式ってどう考えてどういう方針でリリースする曲を決めているのか知らないけど(まるっきり分からんて時あるわ〜)ポルノってこういうロック曲の需要がかなりあるよなあ〜とこの歓声を聞くと思うわけですよ。そういうのもっと出して世間にもロックバンドだぜよアピールする時があってもいいんじゃないの??たまにはさ、と! …まあ、しかしそう言いながらも、色んなスタイルの曲が次々に出せるのもポルノらしいっちゃらしいよな!と思い直すのですが。

この曲は前に出したバベルの風あたりのエモーショナルロックの系統を思わせて、Fall Out Boyっぽい雰囲気あるあるっす!

 

さて、ここでステージが広がります。

正面のスクリーンはパネルが3枚くっついているのですが、それが分かれて広がり、後ろに下がって鉄柱の枠にすっぽりと収まります。今まで何も点いていなくてただの壁のように見えてた両端の2枚のパネルにも映像が映り、5枚の大きなスクリーンになります!

…ということを横アリ2日目にステージ真横のスタンドから間近に見て、そのパネルが動くダイナミックさにめちゃくちゃ興奮しました。それまでなんか広くなった、明るくなったくらいにしか思ってなかったわアハハ。なんも見とらんかったねー私^^; やー、凄い仕掛けでしたよ。

そしてね、このツアーで本気出して来た!と思ったのがここの照明。ステージだけじゃなく客席、いや、スタンドアリーナ全体を緑や赤のレーザービームが貫いて、私たちまで巻き込んでいく。その迫力といったら!!昭仁の後ろには、ちょうど360度に広がる光輪が回っててまるで後光が差してるよう。

たぶんこの照明は回を増すごとに凄くなっていったのね。最初静岡で観たときはそこまでじゃないように感じた。あと言っておくけど、一番この照明の凄さを感じられるのはステージから真正面の後方の席だからね!アリーナ前方列じゃこの素晴らしさ分かんないから!(要するにスタンドのめちゃ後ろ……どうせ今回のツアー私には大していい席なんて来なかったわよ。ふん、まっ、負け惜しみじゃないからねっ!)

 

この曲を一番初めに生で聴いたのはバズリズムライブの時だったけれど、その時はかっこいいんだけれどちょっとピンと来なかった。なんだかもったりと泥臭く聴こえて。私だけかと思ったけどアンサンブルがイマイチと言っていた人もいたのでやっぱそうなのかな〜と。だから、その時からツアーまでに完成度を上げて仕上げて来たんだなあと思えて感慨深かった。サブスク解禁してからの配信限定の2曲(ゾンビとフラワー)はほぼプロモーション無しだったしツアーが終わると聴けなくなるのが淋しいね。MVもYouTubeに上がっているのはショートバージョンだけだし。次回のライブでも聴きたいな。

 

 

 

MC


暗転してずっと小鳥の囀りが聞こえる。
ライトが点いたらステージに昭仁一人。椅子に座りアコギを持っている(大阪から立って演奏してた)BUTTERFLY EFFECTツアーの昭仁ゾーンと同じ。ただ、背景は森ではなく赤い三角が幾何学的に並んだようなよく分からない模様。
「わし一人よ」
観客笑い。
「前のツアー来てくれた人には分かると思うけど、小鳥の囀りが聞こえるとわし一人になるんやね」
「ゾンビからの落差よ。前はね、バックに森のような映像が出ていたんじゃけど…、(振り向いて)何じゃいね?これ?予算削られたかな(笑)嘘だけど」
サブスクリプションになって改めてポルノの歴史を遡ってみると、若いなー俺という曲もあったし今聴いても良い、名曲じゃん!と思える曲もあったけど、わーこれわしどうしたん!?という曲もあったのよ。ちょっとやってみてもいいですか?」

 

 

 


M11   見つめている(ワンコーラスのみ弾き語り)


ええええええーーーーー!見つめている!?今昭仁くんが歌ってるのは見つめているなんですか!?ずっと聴きたいと思っていたやつじゃん!あっ、あっ、あー、でもちょっとコレジャナイ感がすごい。弾き語りではない、聴きたいのは!
昭仁は弾き語りのせいもあってけっこうあっさりと歌う。でもでもでも聴けて良かった!生きてて良かった(´;ω;`) でもでもでも弾き語りでワンコーラスだけなんて……複雑すぎるこの気持ちをどうしよう。


昭仁「見つめているという曲なんですけど…。おかしいじゃろ?ビーチサンダルを履いた指にはさまる砂のように離れないぞって! これは、わしが初めて書いて音源化した曲なんです。初めて世に出す曲だからカマしておかないといけないなと思ってね、当時話題になり始めた『ストーカー』を題材に書いた曲なんです。変に気合が入っていたんじゃろうね。とにかくカマしてやりたかった」
「次にやる曲は、おかげさまでみんなに好きだと言ってもらえたりして、受け止めてもらえて自分の中で意識が変わってきた曲です」
水を飲んでボトルを床に置いたらボトルが倒れてしまった。そこにスタッフさんがやってきてボトルを起こす。
「あっ、直しに来てくれた、ありがとう!(観客に紹介するように)ミスター戸高!」
戸高さんがお辞儀して帰る。


当たり前だけど16日は戸高さんのくだりはなかった。ストーカーを題材にして異常愛を表現したかったとやたら言ってましたよ。「異常愛」を何回も連呼してた。 この辺のMCはツアー最後あたりには「わしはあっさりしてるからね。わしの恋愛は爽やかだからね!誤解しないでね!」と強調してたな笑
 

 

 

 

M12    夕陽と星空と僕

 

ファンクラブの投票やネットでの投票でも人気を集めていたけれど、例にもれず私にとっても大好きで大事な曲。「多分ポルノ、一生好きでいられるわ」と初めて思った曲なのです。

 

「君の形 僕の形 重ねてはみ出したものを わかり合うことをきっと 愛とか恋と呼ぶはずなのに」

夕陽の歌詞のこの、分かってるけど出来ねえよのところがですね、いつも考えさせられる。

だいたい、この世を生きるにあたって人間関係で一番難しいところって、恋愛に限らず「君の形僕の形、重ねてはみ出したものをわかり合おうとしてわかり合えない問題」じゃないでしょうか?? 好きなものが同じや価値観が同じ(似てる)なら芯からとまではいかなくても、初めて会った人でもすぐ打ち解けたり親近感を抱いたりが出来る。そこから信頼関係に発展出来る。それなのになあ〜、どんなに親しい人の間でも、はみ出しあったお互いのものをわかり合うことはとってもとっても難しいのです!ライフハックとして「無視する」や「受け流す」などの小技を繰り出してはみても、結局我慢できずに揉めることのなんという多さ。本当に他人とわかり合うことがこんなに難しくないのならば戦争も起こらないわな。現実的にはわかり合うなんて無理オブ無理。少なくとも「あなたは私にとって理解出来ない(思考、宗教、政治、ポリシー、etc…)ものを持っている。理解することは難しいけれど私はそれを尊重しましょう」これさえ出来れば(これでも難しい)世の中はもっと平和なんでしょうが…。

 

昭仁の歌詞は他にも「Free and Freedom」での「僕らは一人きりでは生きていけない。なのに誰にも縛られたくはない」と他人との距離感の取り方のめんどくささ、と言うか厄介さと自分の心の勝手な都合の良さを描いたものがあって、本当にこういうのは永遠の課題であってなかなか答えが出せないものなんだなと痛感するのです。

さて、私は若い時から見て自分の形を少しは変えられたかなあ? 実際のビジュアルはだいぶ丸くなったけど、心のギザギザしたところは未だに多いままじゃんね。。。やれやれ。

 

ギターはベフニックのアコギ。基本指引きで最後のサビからピック使ってストロークしてた。

弾き語りだからといって優しすぎず甘すぎず。夕陽と星空と僕はたくさんの楽器を入れてのバンドのスタイルでも弾き語りでも似合う曲だなと思う。

 

 

 

 

M13 Didgedilli   

 

ステージが暗転して、昭仁がハケたかな?と思う間もなく上手端にスポットライトが照らされる。ライトを浴びて晴一がもうステージ上に立っている!短いオリジナルのソロを弾いた後、ギターを抱えてステージ中央にやってくる。全体にライトがつくとステージ上にはサポートメンバーがスタンバっていた。あらまあいつの間に!

そして始まったのがDidgedilli。

この曲聴いたのめっちゃ久しぶり過ぎたせいかDidgedilliに聴こえんかった^^; いや、メロディーはDidgedilliだけどDidgedilliっぽい何かのように聴こえた。後から考えてみたらしっかりDidgedilliだったけどさ(日本語めちゃくちゃ)

うん、それだけかっこよかったってことです!!

だって骨太でゴリゴリしててロックで、それでいて大人びてて。途中でサポメンのソロも入るし、これがまたいい感じ。はーインスト大好き❤ もっとポルノのライブでも取り入れてもいいとオモ! そんでツアーが終わって久しぶりにCD音源を聴いたら、あ〜やっぱり全然雰囲気違う!となったよね。これは晴一のギターの腕前が上がったってことですかね??(ナニサマ)

 

ただねー、ゾンビからの見つめている、からの夕陽、からのでぃじゅでぃり…はテンションの上がり下がりあっちこっちが大きすぎ!!最終的には楽しかったけどさ、流れ的にはいつもしっくり来ないところではあったのですよ、個人的に。あくまで個人的にね。

 

 

 

M14    カメレオン・レンズ

 

前回のツアーの時の新曲だったカメレオン。今回もやるとは思わなかったんでびっくり。

しっかしこれ、照明がめっさ凄かった!!!

ステージ前方には白くて細い光が何本も落ちて演者と観客を遮る。まるで何かの檻の鉄の棒のよう。そして客席にも、白くて細い照明が舞台から垂直を作るように天井から何本も落ちてくる。うー、説明が難しい!!分からなかったらWOWOW観てくれ〜。多分そのうちDVDにもなるっしょ。あー説明が全く出来ない!だいたい初日アリーナにいたときはあんまりその照明がよく分かんなくて、次の日にスタンドから全体を眺めたときその美しさにびっくりしたんだった。後からカフェイレで言ってたことには、これは光の神殿、要するに石柱をイメージしていたみたいですね。あ〜なるほど!でも私には鳥籠のイメージでしたわ…(^_^;) 歌詞の青い鳥からきてるんかなーとずっと思ってたよ(笑)

正面のスクリーンにはのっそりと動くモノクロのカメレオンの映像。コーラスの英語は赤い字で表現されてた。このあたりもスタイリッシュでひたすらおしゃれ。実は私は、カメレオン・レンズが最初にライブでひょんなことから披露されたバタフェの福岡初日のイメージがずっとこびりついてて。バタフェで何度聴いても、歌詞の紙一枚持ってウロウロしながら歌う昭仁と必死でギター弾く晴一の、おしゃれのおの字もないカメレオン・レンズしか頭になかったのです。いや、こっちはこっちで最高に良かったんだけどね!ライブ感満載で!!んで、今回めでたくアンフェのカメレオン・レンズに半分くらいアップデートされた模様っす。彼らが表現者として見せたい方は絶対アンフェの方だっただろうしね(笑)

ところで、この曲のコーラスはいつも音源が流れているわけだけどいつか生で聴いてみたいなーというのが願いです。

 

そうそう、次の海月とカメレオンは私にとってダンスゾーンでした!2曲ともリズムやリフレインのフレーズが凄く気持ち良かったなー。

 

 

 

 

M15    海月

 

アリーナツアーを発表された時から、これはぜひアリーナで観たい!と思ってた曲です。

いや、だって誰だって思うでしょ(決めつけ)暗い会場内、ステージから伸びる青い照明。スクリーンに浮かぶ白く透明な海月…という幻想的な光景。想像した通りのステージでしたが最っっっっ高に満足でした。

海の底を思わせる低音から始まるAメロ。リズミカルになるサビから、スクリーンの海月たちは大きな泡と共に海の中を上昇して行く。最初の公演の頃の海月は白っぽいだけの映像だったのに、だんだんと鮮やかにピンクや黄色に彩られていった気がします(たぶん…違ったかも?)

 

この曲も初めて聴いたときからハートを撃ち抜かれた曲で(表現が古くさっ)、歌詞に関しても書きたいことはいっぱいあるんだけど、まず曲がねー、もうめちゃEDMだよね。今までもEDMを取り入れた、ってのはいっぱいあったし打ち込みは初期の頃から使っていた。むしろドシンプルなバンドサウンドの方が少ないんじゃないかってくらいのポルノの楽曲だけど、やっぱり歌謡曲から続くJポップの枠内にいて。Jポップが良い悪いではなくてですよ!でもこれと、前曲のカメレオン・レンズなんかはだいぶ洋楽寄りのテイストですよね。特に海月はギターソロもすんごい控えめだしね。

ポルノの曲って本人たちも「前世紀的な…」って言ってるように、AメロBメロサビギターソロCメロサビみたいな形をずっと残してる。それが素敵なところだけど最近の流行りはどうも「リフレイン」にあるのかなとも思う。割りかし単純なフレーズのリフレインが多用されるのはダンスミュージックが流行っているせいもあるんだろうね。ギターソロも若い人たちからは鬱陶しいと敬遠されがちと聞く。だいたい生楽器が必須ではなくなっているよね。全然弾けなくても音楽ガンガン作るプロもいるし。まあ、そういう時代ではあるんだよねー。

だからこういう曲をライブで聴いてたりすると、ずっと変わってないようでやっぱりデビューした頃から曲作りのスタンスは「今」に寄せて随分変わっているんだなって実感します(初期からリアルタイムで追いかけてるわけじゃないけどまあ、リリースされた楽曲聴いてて思ったことなので許してちょ)

もっともポルノの2人が音楽的に、これからどんな方向を目指しているのかは全然分からないのだけれど。さて。

 

アウトロの「ヒアー」は音源流しているみたいだったけどどこかの公演で昭仁がマイクを通してた、気がした。

 

 

 

 

M16    フラワー

 

最新曲です。映画「こんな夜更けにバナナかよ」の主題歌。

はふーん、メロディーが難しいよう〜〜〜〜。次の音が予測出来ない😭(私だけか?💦)良い曲、とは思いながら結構長い間しっくりこんかった。ツアーでずっと聴いててやっと分かってきたような、私にとってはそんな感じでした。

正面のスクリーンにはひとりのバレリーナが踊っている静止画像が次々と映し出される。静止であることが「生(せい)」のきらめく一瞬を切り取って、背筋を伸ばしたバレリーナの静謐な美しさを際立たせている。

照明は黄色。最後のサビでは、客席まで覆う一面の温かな黄色の光の中に柔らかなピンクが花咲いていた。それが歌詞と相まって印象深かった。ただ、このピンクの照明が初日2日目であったかなあ。無かったかも…もう時間が経つとすっかり忘れている私なのだ😅

 

「こんな夜更けにバナナかよ」はツアー途中でやっと観に行けて。正直障害者を扱ったドラマは私にとって要注意です。必要以上にお涙頂戴や感動を煽ったものが多すぎて、いつも現実とかけ離れすぎてる!とうんざりするからです。だからポルノが主題歌やらなかったら観に行くことは無かったと思う。まあ、こういうしょうもない先入観があるんだよね、私には。ホントごめんなさい。

実際は、あれ、これもしかして記録映画かな?と思うほど主人公の鹿野さんの日常を淡々と、お涙頂戴どころか時にはコミカルにと描いていてひどく考えさせられる映画でした。これ、ここで書くと延々と長くなりそうなのでやめるけど、鹿野さんの独りでの闘いを思うと気が遠くなりそうだった。夜中にふと思い立ってバナナを食べたいと買いに行くことも、いや、自分の身体の向きをちょっと変えることさえ一人では出来ずに誰かに頼らなくてはならない。文字通り一人では生きていけない。身辺自立もままならないのに社会的に自立して生活していこうと思った時に、どれだけの困難が待ち構えていたのか。

障害者はおとなしくしていろ、面倒をみてもらう立場なら文句を言うなという世間の暗黙の差別や圧迫に、どれだけ抗わなければならなかったのか。「自分らしく自分のやりたいことをやりたいように生きていく」という人間として当然のことをやるのにどれだけ勇気を振り絞らなくてはならなかったのか。流されて、周りの人の言うことを聞いて彼らがやりやすいように自分の願望を押し殺してしまった方が遥かに楽で、その楽に傾く心とずっと闘い続けた強さに敬服する。

もちろん彼はひとりじゃなかった。彼を理解してサポートしてくれる仲間がいた。けれどそれも鹿野さんがイチから作り上げたものなのだ。

 

フラワーの、「I wanna be so strong even if I'm alone」(強くありたい、たとえ孤独でも)という歌詞が好きだ。孤独を恐れるあまり弱さに走ってはならない、といつも自分に言い聞かせている。難しいけれども。

 

 

 

いつになるかわからないけど続きは後編へ。